1型糖尿病患児の療養および学校との連携についての研修会の報告

 毎年恒例の「2022年度1型糖尿病患児の療養および学校との連携についての研修会」が、7月27日(水)に昨年と同様Webにて開催されました。今年で21回目となります。学校関連の方々総勢70回線の接続があり、大変有意義な会となりました。1型糖尿病の事を理解して患児の学校生活の助けになろうとする教職員の方々の姿勢には本当に頭が下がります。
2022FY-workshop.jpg はじめに、当会特別会員の杢野武彦先生(杢野医院 院長)から、1型糖尿病の基礎知識と学校生活での対応方法に関して、これまでの事例も取り上げて具体的な説明がありました。クラスメートが病気のことを正しく理解してくれると、低血糖の時などに周りの子供たちが助けてくれるようになると述べられました。子供にとって安心な環境を作るためには、保護者と学校のコミュニケーションが大切で、注射や血糖測定を行う場所などは患者の考えを尊重することも重要あると感じました。
 つぎに、当会会長から青年期の複雑な心理状態の話、未成年者の就職活動についての説明がありました。
 患者本人の講演では、現在、医学科3年生の患者から、発症から現在まで学校生活を中心に貴重な体験談をご提供いただきました。
 ご聴講くださいました学校教員の皆様および保健関係者様に心より御礼申し上げます。

★先生方の感想(一部)★
 ●しっかり管理することができれば、普通の子と変わらず学校生活を過ごせるんだということがよくわかった。実際の患者の声を聞く機会はあまりないのでとても参考になりました。

●1人1人、それぞれ病気への感じ方や対応についての希望が異なることを、事例を通して知ることができました。心配しすぎず、本人に任せても大丈夫な点もあることに安心しましたし、本人、保護者の希望をよく聞き、学校でできる対応を考えていくという基本的なことがやはり大事だなと感じました。

●それぞれの発達段階の事例や、会員さんの体験談を聞けたことは、その子の人生にとっての病気の位置づけを考えるうえで、とても参考になりました。ありがとうございました。

●来年度、1型糖尿病の児童が入学予定のため、インスリン注射は自分で打てるのか、血糖コントロールはできているのかなど、受け入れるために学校としてなにをしたらよいか、私自身の勉強不足もあり不安に感じていました。今回、研修に初めて参加させていただき、杢野先生の専門的なお話から、山下さんの糖尿病患者さんの思い、鷲見さんの発達段階によってどう過ごしてきたかなど、様々な立場のお話を一度に聞けてとても勉強になりました。ぜひまた、来年も参加させていただきたいと思いました。ありがとうございました。
 昨年に続きWeb開催でした。今回70回線でしたが1回線で複数の方が参加できることと、教職員の先生方の移動の負担等を考えると、今後もWeb開催の方が良いかもしれませんね。杢野先生の資料と説明は本当に分かりやすく糖尿病対策の大事な基本が中心となっていますので教職員だけでなく発症間もない人たちにもうってつけの内容だと思います。

© 2005 つぼみの会 愛知・岐阜